10年の歩み

全国養護教諭連絡協議会 設立30周年記念誌より抜粋

1 発足と発展

1941年(昭和16年)に養護教諭(当時は養護訓導)の職制が確立してから6年後、本会の前身である「山形県学校衛生会養護部会」が組織された。その2年後の1949年(昭和24年)には会則が制定され「山形県養護教員研究会」が発足。その後「山形県養護教員連絡協議会」「山形県小・中・高等学校教育研究会養護教員連絡協議会」と名称を変え1988年(昭和63年)、現在の「山形県小・中・高等学校教育研究会養護教諭連絡協議会」となっている。
 本会には、山形県の幼稚園、小・中・高等学校、特別支援学校に勤務する養護教諭が加入し、令和4年度の会員数は414名である。(発足当時は240名、最盛期には560名)本会は発足当時の熱い志を継承し、会員相互の連携を深めながら、養護教諭としての資質や専門性の向上を目指し、調査・研究、研修を実施する教育研究団体として自立した活動を展開している。現在も継続している主となる3つの事業の経過を以下に紹介する。

◎「夏季研修会」 昭和27年「研究協議会」として開催し、平成3年にこの名称となった。平成5年から県内4地区持ち回り運営として、毎年開催している主たる事業である。

◎「研究収録」 昭和32年から発刊している研究協議会収録は、昭和43年に研究収録「あしあと」と名称を変更した。各地区の研究実践や活動内容を収録する貴重な資料となっている。

◎「会報」 昭和26年、養護教諭職制10周年に記念誌「つどい」が発刊され、以降会報「つどい」として年2回定期発行し、会員に愛読されている。令和4年度には100号となった。

2 10年間の歩み(平成23年度~令和3年度)  

 平成24年8月9~10日、山形市で全国養護教諭研究大会が開催され本会も運営に参加した。 

 なお、近年の学校統廃合による影響や養護教諭の年齢構成の偏りから、本会は大きな世代交代の時期を迎えている。諸先輩方とともに積み上げてきた足跡や研究等の財産を次世代に確実に渡すため、平成28年に「つなぐ 伝える 高まる」を活動テーマに掲げた。取組のひとつとして立ち上げた「ステップアップ支援」事業は今も多くの会員が活用し、若手育成や世代を超えて学び合う取組として定着している。さらに、平成30年11月に独自にホームページを開設し、会からの連絡や研修情報等を適切かつ迅速に届けられるようになり、利便性が高まった。

新型コロナウイルスが感染拡大した令和2年度は「夏季研修会」の中止を余儀なくされたが、令和3年度からはホームページを利用してオンラインで開催し、講演および分科会を視聴することで学びを共有し、コロナ禍においても充実した研修会を実現した。

研究収録「あしあと」は令和元年度に第50集特別記念号を発刊した。第51集では新型コロナウイルス感染症特集を組む等、厳しい状況にあっても会員の弛まぬ努力により歩みを止めずに実践・研究を継続し、常に時代のニーズを捉えながら活用できる記録集として編集している。

3 現状と課題

 本県の養護教諭の年齢構成に偏りがあることを踏まえ、若手はもちろん組織的な取組を牽引するリーダーとなる中堅層の育成が急務である。定期的に実施している研修ニーズ調査の結果を研究や事業に反映させ、養護教諭の専門性を追求していくことも目標としている。

 また、本会の強みである地域や世代、校種を超えた温かな「つながり」を活かし、今後も会員相互が朗らかに支え学び合いながら、学校保健の中核となって活躍する姿を目指して会を運営し発展させていきたい。                           

                      (文責 土屋 隆子)

協議会組織図

組織図